4630万円誤送金問題。受け取った20代の男性は「海外のネットカジノで全額使った」とお金は手元に残っていないと説明しつつも、「お金を使い申し訳ない。少しずつでも返したい」と謝罪と返金の意向を示しているそうです。では、お金を返せば、罪に問われないのでしょうか?弁護士は「お金を返還しても、罪に問われる可能性はある」としています。その他、このお金が返ってくる可能性はあるのか解説します。

■法律で取り締まれないグレーゾーン「4630万円は普通にすぐ…」


上村彩子キャスター:
今回の問題をおさらいします。4月8日、山口県阿武町が20代の男性に対し、新型コロナ対策の給付金463世帯分、4630万円を誤って送金してしまいました。そして4月21日、20代の男性が「金はすでに動かした戻せない。罪は償う」と言いましたが、どういうことでしょうか?

男性の弁護士は5月16日の会見で、「スマートフォンで送金したと聞いた」と説明し、男性は警察の事情聴取に応じていて、スマートフォンは提出済みだとしました。そして4630万円は「返還が難しい状態」だとしました。男性は現在、そのお金(給付金)を所持しておらず。財産的価値のあるものは手元に残っている状態ではないということです。

そして、男性はお金を「海外のネットカジノに使った」ということなんです。このネットカジノとは一体どういうものなのか、短期間で4630万円ものお金を使い切ることができるのでしょうか。

ネットカジノで2000万円以上を失ったという男性(30代)
「ネットカジノだと4630万円は普通にすぐに使えてしまう。1日で1300万円使ったこともある」

ネットカジノとは海外に拠点を置くネット上のカジノゲームで、バカラやブラックジャック、ルーレットなどができ、実際のお金を使うことができます。プレイヤーはクレジットカードや海外の銀行口座、暗号資産などをネットカジノに入金し、買ったお金は出金して現金化することや暗号資産として使うことができます。1回に100万円をかけられるようなネットカジノもあるということです。

馴染みのない「ネットカジノ」という単語ですが、国際カジノ研究所によるとネットカジノの利用者は日本だけでも年間200万人以上いるということです。

ネットカジノを利用することに問題はないのでしょうか。若狭勝弁護士によりますと、賭博罪に問われる可能性もあり、利用者が摘発されたこともあるそうです。ただ実際はグレーゾーンとなっているのが現状です。
問題点は、海外のネットカジノを日本が取り締まる法律がないという点だといいます。大元を取り締まることができないのに「利用者だけを罪に問うことを問題視する声もあり、検挙されるケースが少ないのが現状」ということなんです。

■残高は6万8743円…「全額回収は難しいのでは」

弁護士によると5月18日、20代の男性は「お金を使い申し訳ない。少しずつでも返したい」と謝罪と返金の意思を示したといいます。


ではどうやって返していくのでしょうか。
通常考えられる回収の方法は、預貯金や不動産、車などの資産から回収する、あるいは給料から天引きという回収方法があります。
しかし、この20代の男性は勤め先をつい先日、退職していて、給料からの天引きは今のところ難しいということです。また、4月18日時点の口座の残高は6万8743円だということなんです。


月々の返金額について、若狭弁護士によると、阿武町との話し合いで決まっていくそうです。阿武町が送金したのは4630万円ですが、弁護士費用なども含めて約5100万円の支払いを求める訴えを起こしています。
例えば、男性が月10万円ずつ町に払った場合、町が回収できるまで43年ほどかかることになります。若狭弁護士によると「利息も加算されていくので全額回収することは難しいのではないか」ということでした。

男性が「少しずつでも返したい」といった意思を示したことについて、阿武町の花田憲彦町長は「まずは素直に喜びたい。裁判でお金をどう使ったのか、真実を語っていただくことが一番大事なことではないか。もちろん全額を返していただきたい」と話しました。

井上貴博キャスター:
税金ですから全額返金を求められると思いますが、しっかりと制度設計するべきではないかという議論は求められそうですね。

オンライン直売所「食べチョク」代表 秋元里奈さん:
そもそも間違えて振り込んでいるというところが1つ問題ですが、チェック体制と、(送金したものを)ちゃんと戻せる仕組みもあわせて必要かなと思います。
今回の全体をみていると、すごく用意周到というか、発言を含めてかなり考えて動いているなと思うので、ネットカジノで使ったというのも、全額なのかな、どうなのかなと感じます。ネットカジノ自体はすごく増えていますが、全額そこでなくすという行動をとらないのではないかと。弁護士を介して発信するなど、気を使っている人であればゼロにすることはなさそうですが…お金の流れが追えないというのが不思議だなと感じます。全額返すというのが本心であればいいですが、返金する意向を見せることで罪が軽くなるところを狙っているとなれば悪質だとは思います。もちろん真意であってほしいと思いますが。