福島県いわき市消防本部の救急車が高速道路で進む方面を誤り、病院への到着がおよそ21分遅れていたことが分かりました。

いわき市消防本部によりますと、5月13日午後4時ごろ、いわき市川前町で発生した救急事案に川前救急隊が出動し、60代の男性を運ぶ途中に高速道路で方面を誤り、病院に到着するまでおよそ21分遅れました。

男性は、自宅の部屋で意識を失っているところを家族が発見し、119番通報しました。通報時に家族が「呼びかけには反応しないが呼吸はある」と話していましたが、消防が到着時には男性は意識も呼吸もない状態で、救急車で心臓マッサージをしながら病院に向かったということです。

救急車は、男性を搬送中、常磐自動車道のいわき中央ICで「東京方面」に向かうべきところを、誤って「仙台方面」に進んでしまったということで、その後、四倉ICを出て引き返しました。救急隊員は「間違ってしまった」と話しているということです。

いわき中央ICの案内標識

男性は、いわき市内の病院に運ばれ、その後死亡が確認されましたが、医師の診断によると救急車が遅れたことと死亡に因果関係はないということです。

いわき市消防本部では、4月26日にも救急車が出動途中に道を誤り、到着がおよそ14分の遅れる事案がありました。

いわき市消防本部では、15日、急きょ、市内の消防署長や各課の課長を集めてオンライン会議を開き、「職員は気を引き締めて業務にあたるよう」指示したほか、今週中に再度対策会議を開き、再発防止策を徹底させるということです。