5月12日、こども家庭庁が全国で2022年に発生した園児への不適切保育の件数を初めて公表し、静岡県は「虐待」の数で全国ワースト2位でした。ワースト2位という不名誉な順位になったのは、どのような背景があるのでしょうか。
静岡市内の幼稚園には12日も元気な子どもたちの姿が。この姿の裏には保育士たちの日々の努力があります。
2022年11月、裾野市の私立さくら保育園で発覚した複数の園児虐待。こども家庭庁はさくら保育園の虐待事件を受けて、22年4月から12月の間に不適切な保育があったかどうか、全国を対象に初めて実態調査を行いました。
その結果、914件の不適切保育が確認され、このうち90件は自治体が虐待にあたると判断していました。90件の「虐待」のうち、東京が24件、静岡が19件、愛知が10件と、静岡県は全国でワースト2位という不名誉な順位に。12日、SBSが県に19件の内容を確認したところ、「詳細については県はまだ把握しておらず、今後、自治体に実態を調査する」と回答しました。
こどもの数が全国で20位の静岡県。なぜ、ワースト2位になったのか。保育施設の安全管理などに詳しい常葉大学の木宮敬信教授はその理由を推察します。
<常葉大学教育学部 木宮敬信教授>
「報道が県内で多くされたことによって、多くの保育園の意識があがっていて、それが今回の件数につながっている。実際に虐待が多いかというよりも、報告されている件数が多いと考えた方がいいと思う」
木宮教授はさくら保育園での虐待の発覚をきっかけに、県内の多くの保育所が積極的に調査を実施した結果ではないかと推察しました。
県が全国に先駆け、3月に開設した通報や保育の相談の窓口「チャイム」。窓口に専任の相談員を配置し、保育施設の職員や保護者から虐待や暴言など不適切保育についての相談・通報から、子どもの発育相談なども受け付けています。3月末の開設以降、「チャイム」には47件の相談が寄せられたということです。
<県こども未来課 鈴木安由美課長>
「不安に思う声をなるべく早めに相談窓口で受け止めることで早期発見、早期解決、大事に至らないようにしたい」
子どもを預かる園側は「しつけ」と「虐待」の境目の判断が難しいと悩んでいます。
<南八幡幼稚園 松本幸真園長>
「例えば、手を引っ張ってはいけないとか、そうなると子どもには触れることができない。その方が安全なのかとか。先生たちが、どこがボーダーラインなのか結構迷っていた」
こちらの保育士は自身の働き方から見直したといいます。
<保育士 牧野杏菜さん>
「自分にゆとりがないと、子どもたちに感情的に言ってしまうことがあるのかなと思ったので、子どもと関わる時は自分に余裕を持って接していけたらいいなと思う」
<南八幡幼稚園 松本幸真園長>
「叱る時に子どもが怖いと思わないように、それまでにたくさん遊んだりして、信頼関係を結んでおくこと、それが虐待につながらないと思う。先生のことが好きということが大前提」
どういった保育が「不適切」に当たるのか?保育現場の模索は続いています。
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