岩手県住田町の住宅近くで12日朝、ニホンザルの群れが橋を渡る姿が撮影されました。現地を取材すると被害も出ていることがわかりました。

 12日午前6時半ごろに住田町のJR釜石線上有住駅の近くで住民が撮影した映像です。ニホンザルが次から次へと橋を渡っていました。


(中澤正雄さん)
「山の方から下りてきて、そして渡っていったんですよ」

 撮影した中澤正雄さんによりますと、30匹以上いたということです。
 サルの群れが目撃されたのは釜石市と遠野市の境に近い土倉地区です。12日の目撃場所から100メートルほどのところにある鍾乳洞、「滝観洞(ろうかんどう)」の運営に携わる千葉孝文さんも、サルの群れを幾度となく見ているといいます。

(滝観洞の運営に携わる 千葉孝文さん)
「滝観洞の受付前にも30から50頭くらいの群れが朝とか夕方に来てから花とか木の芽とか食べたりしてるのがけっこう見られます」

 千葉さんが受付前で3月中旬に撮影した木の芽を食べるサルたちの動画です。人が近くにいるにもかかわらず、動じることなく食べることに夢中です。
 住田町によりますと町内ではニホンザルの個体群=群れが3つ確認されていて、去年はカボチャを中心に農作物が食べられる被害が報告されています。面積は200から300アール、被害総額は30万円ほどですが、家庭菜園など報告されていない被害もあるとみられています。
 被害は農作物だけではありません。

(滝観洞の運営に携わる 千葉孝文さん)
「やっぱりふんですね。サルのふんがですね、洞窟の前とかあとは道路の方にけっこう落ちてまして、そういうのの処理がけっこう朝大変かなっていうのはありますね」

 土倉地区とその周辺では畑の周囲を囲うように防護ネットを張る対策がとられていますが、ニホンジカやカモシカと違い、サルはよじ登ることができるためあまり効果がないということです。