タイでは去年、アジアで初めて大麻が解禁され、市場が拡大しています。一方で、負の側面への懸念も。総選挙の大きな争点となるほど社会問題化しています。
首都・バンコクにある大麻の販売店。外国人観光客を中心に、1日50人ほどが訪れるといいます。
アメリカ人観光客
「とても良いよ」
「どの国でも合法になってほしいね」
店には20種類以上の乾燥大麻があり、高いもので1グラムあたり600バーツ、日本円でおよそ2400円です。
記者
「酸っぱいにおいと、独特の鼻にツンとくるようなにおいが」
オーナーのニティグリットさんは、去年この店を開くまでは弁護士として働いていました。
大麻販売店オーナー ニティグリットさん
「今の社会はストレスがたまりますが、大麻を使うことで幸せになれます。大麻はもうドラッグではありません」
タイ政府は2019年に医療用大麻の使用を合法化。去年6月には大麻が麻薬リストから除外され、家庭でも栽培できるようなりました。
アジア初の“大麻解禁”で、大麻を使った食品や化粧品も登場し、市場規模は2000億円に拡大すると予想されています。
こちらの日本料理店では、大麻を使ったコースが人気だといいます。
日本料理店のタイ人シェフ
「商売しやすくなっているから、大麻は絶対に広がっていくと思います。実はきょう大麻を吸いました。一日中微笑んでいます」
こうした中、タイでは14日に総選挙を控えていて、大麻ビジネスの効果を強調する与党側と、「多くの社会問題を引き起こしている」と批判する野党側の対立が激化しています。その理由は。
記者
「バンコクの歓楽街にひときわ目立つ派手な大麻ショップがありますね。こちらは日本語でマリファナと書かれています」
政府は大麻の使用を医療・健康目的に限定していますが、至るところに娯楽目的とみられる大麻ショップや露店が乱立していました。
大麻ショップ 日本人マネージャー
「(日本人観光客も)たくさんいますよ。もちろん、増えてきてはいます」
現地メディアは、「法制度が十分に整っておらず、観光収入に頼る政府も黙認状態で無法地帯になっている」としています。
さらに大麻の乱用も深刻な問題です。タイ保健省によると、大麻が解禁された去年6月以降、大麻中毒で治療を受けた人は多くの病院で2倍から4倍に増えているということです。
プーファーレストホーム病院 プーワドンアーノンさん
「大麻をきっかけに、覚醒剤などほかの薬物に手を出してしまう危険性があります。このまま中毒者が増え続ければ、社会に重大な悪影響を及ぼすでしょう」
日本人観光客がさく乱状態になって搬送されたケースもありました。日本大使館は、「みだりに栽培したり所持したりすれば、大麻取締法の国外犯規定で罪に問われる可能性があり、日本に大麻を持ち込もうとした場合には処罰の対象になる」として注意を呼びかけています。
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