鋭い社会風刺画で世界的に知られる正体不明の覆面アーティスト、バンクシーの作品を集めた版画展が福岡市天神で始まりました。

◆根底には“戦争や暴力”への反対

謎の覆面アーティスト、バンクシーはイギリス出身の男性で正体は不明です。世界各地に出没し、路上の壁や塀に風刺画を残すことで知られています。

サロン・ド・ヴェール・行方憲一社長「ハートの形をした風船。こちらが夢であり、希望であり、愛なんですよ。この少女が風船に向かって手を差し伸べた。非常にシンプルなんですけども勇気を与える、希望を与える、諦めてはいけないんだ、努力すれば必ず夢は叶うんだ、そういった心のこもった作品に仕上がっております」

作品を通して彼が伝えているのは戦争や暴力への反対、そして世界の平和主義です。

◆コロナ禍を描いたアートポスター

イスラエルがパレスチナを分断するため建築した壁に描いた作品には、戦争では何も届かない、愛を届けなさいというメッセージが込められています。唯一のアートポスターで、コロナ禍で描いたものもあります。国家レベルの危機と戦う医療従事者が新しい時代のヒーローであると敬意を表しています。

訪れた人「絵の裏側、何を考えているんだろうっていうのを1個1個見たときに面白いと思った」「思想がありますよね。考え方がね。今、ウクライナのこともあっているからどこかで描いているのかなと思いました」

◆シリアル付き約40点を販売

バンクシーは現代アーティストの中で高い人気を誇り、これまで偽物の作品が出回ることもありました。10日から開催されている版画展はバンクシー公認の工房で作られたことを証明する刻印とシリアルナンバーが入った作品が約40点、展示販売されています。今月15日まで福岡市の天神地下街で開催されています。