今学校の先生の働き方を巡ってこんな声が今ネット上であがっています。「そりゃそうでしょうね」「誰がやりたいの」「現場を知れ、いい加減」などとあります。

これは先月29日に報じたニュースに寄せられた意見です。熊本市の教員の7割以上が「報酬が支払われても部活動指導はしたくない」

反響が大きかったので、街の声や元教諭の声など深掘りしました。
熊本市教育委員会は、部活動のあり方について検討するため「部活動の地域移行」を前提に市内のすべての小中学校の教員2479人を対象としたアンケート調査を行いました。

この結果約77%の教員が「報酬が支払われても、部活動の指導をしたくない」と回答したということです。
一方で「報酬が支払われて、専門種目が指導できるなら指導したい」と答えた教員は約20%でした。
市教委は「土日の出勤や大会の引率、指導が負担になっている」と分析しています。
では、この結果を見た親世代はどのように感じるでしょうか。

50代・看護師「先生たち可哀そうだと思う。働かせすぎじゃない?」

30代・会社員「悲しいですね」

50代・会社員「私がその立場だったら私もやりたくないかもしれない。でも親としては学校で(部活が)あってくれていたらいいなと思う」

高校生や大学生の受け止めは…

高校1年生「指導するのが専門種目でないと意味がない。専門種目を指導してもらえるならそれでいいと思う」

大学4年生「技術面だけじゃなくて(部活動で)精神面でも成長するって考えると、教員に指導して頂きたい」

部活動指導はどれだけ教員に負担なのか?30年余り部活動の指導にあった元教員を取材しました。

元玉名中学校 陸上部監督 福田幸治 さん「(アンケート)結果だけを聞けば(部活指導を)やってきた人間としては寂しい気がします」

福田さんは38年間の教員生活の中で、陸上競技を専門に指導しチームを全国大会にも導いてきましたが競技経験はありません。

福田さん「最初の3年間くらいは(休みが)ほとんどなかったと思います」
授業の準備に加え慣れない部活の練習に指導法の勉強まで。負担は大きいものでした。
その上で福田さんは今の学校は以前より事務作業量などが増加していると指摘します。

福田さん「部活(指導)を我々と同じようにやることはできないと思います。今の環境の中では」
一方で教員が部活動に関わらないことで、子どもが抱える悩みを直ぐに察知できない可能性もあるとし、教員の負担軽減を強く訴えます。

福田さん「先生たちの数が絶対的に少ないんじゃないかと思う。教師の数を増やすことが一番だと思う」
あくまでも「熊本市」に限った調査ですが部活動の指導をやりたいと答えた人の割合です。

「報酬をもらった場合」との条件付ですが、中学校教員は約4割、小学校教員は 約1割です。
教員が「指導したい」と思う環境作りのためには「報酬だけではない」という現状が改めて浮かび上がってきます。