RBCiラジオで毎週月曜日から金曜日の午後4時から放送している民謡で今日拝なびら。ことしで放送開始から60年となりました。番組の魅力はなんといってもリスナーから届くハガキや手紙によるリクエスト。県民の夕時を彩ってきた、番組の歴史、そしてリスナーの方々にも話しを聞きました。
【スタジオトークの様子】
「放送開始から60年」
「わったーはよ、ちんだみしからして、よういしゅーとーやさ」
軽快なうちなーぐちと、心落ち着く民謡の音色。リスナーからのぬくもりを感じるお便りが、番組の名物となっている『民謡で今日拝なびら』。今年、放送開始から60年の節目を迎えました。

パーソナリティー 島袋千恵美さん「本当に感慨深いものがあります。先輩たちから繋がってきた番組60年の重さっていうのは、重責感じながらではあるけどお便りお葉書に励まされて、これからも丁寧に、番組を作っていきたいと思っています」

1963年2月4日。第1回の放送日を迎えた、当時のラジオ欄。スタート時の番組名は『お国言葉で今日拝なびら』。その4年後に現在の『民謡で今日拝なびら』へと変わりました。当時は「うちなーぐちのコントを中心とした20分間の生放送番組でした」
第1回放送のパーソナリティを務めた沖縄芝居の女優・北島角子さんは、その後50年以上も、番組の顔として出演を続けました。
初代パーソナリティー 北島角子さん「うちなーぐちの中には言葉で心を和らげてくれるものがある。だから言葉が大好き、ウチナーの言葉が」
八木政男さん「うちなーんちゅの、ちむぐくるですよ。どんどん若い人たちがあとに続いて、どんどん繋いで。切れてしまってはいけないから」


沖縄芝居の八木政男さんも、2020年に番組を卒業するまで57年間。そして現在、病気療養中の上原直彦さんは、立ち上げ時から番組に関わり続けています
上原直彦さん「僕の先人たちから預かったものを後輩たちに今度は渡さなければならない。やらなきゃならない大仕事がある」

60年間、番組が変わらずこだわってきたのは、手書きによるリクエスト。1年間に4000通、小学生から100歳近くのリスナーまで、時には海外からエアメールが届くことも。
手書きの文字から直接思いを受け取るハガキでの交流が、リスナーとの距離を近づけています。
米須清光さん「いつも4時になったらね、いつもポケットにいれているんですよ、ラジオは」

北中城村に住む、米須清光さん。大好きな民謡番組のはがき投稿に魅せられ、リスナー歴はなんと57年。ピッタリあった自宅の時計が4時になる瞬間を心待ちにしています。
リスナー歴57年 米須さん「父の日とか着物なんかいいから、はがきで1000円分でも2000円分でもそれでいいからということでね」
毎週熱心に番組を聴き、リクエストをする米須さんに、番組から感謝状が贈られたこともありました。
情熱は変わらず。ラジオから聞こえてくる三線の音色が、今も、一番の楽しみとなっています。
リスナー歴57年 米須さん「もう読まれるときは、じーんとしてとても嬉しいですね。いつまでも民謡番組を続けてくださいますように、宜しくお願いしますってお願いしたいですね」

番組の最高齢リスナーは数え年100歳の、當山トミさん。
最高齢リスナー 當山さん「世の中がある限り、これはなくすということは絶対いけませんから。続けてくださいって書いてありますよ。こんな楽しみはない。もう命の恩人ですよ」

トミさんは、97歳のカジマヤーを過ぎてハガキを出し始め、今では名物リスナーに。パーソナリティからも家族のように慕われ、メッセージが読まれると、優しい笑顔で耳を傾けます。
60年間変わらない家族のようなリスナーとの関係を築いてきた『民謡で今日拝なびら』。
パーソナリティー 島袋さん「とにかくみんな元気に、リスナーのみなさんもちゃーがんじゅーしていただいて、やはり先輩たちからの歴史ある番組を丁寧にお送りしていきたいと思っています」
島言葉で、民謡の魅力を伝え続けてきた60年。時代は移り変わっても変わらない三線の音色が今日もラジオから響いています。