東日本大震災の津波で書き溜めた絵のほぼ全てを流された釜石市の男性が、震災から12年あまりを経て初の個展を開催しています。

 作品展を開催しているのは釜石市で看板店を営む小田島凌一さん83歳です。初日の28日には、市内のこども園の園児たちが訪れ小田島さんに花束を手渡しました。小田島さんは家と店が津波の被害にあい、趣味で書き溜めていた作品のほぼすべてを失いました。会場には震災後に新たに描き上げた40点ほどが展示されています。このうち、がれきをへし折る恐竜のような重機の爪を描いた「海は黒かった」は、津波の脅威を表現しました。小田島さんの作品には反戦や環境保護のメッセージが色濃く表れています。作品展は来月7日まで釜石市民ホールで開催されています。