食物アレルギーの原因物質を除去する研究が進んでいます。きょう発表されたのは、卵アレルギーの原因物質を除去した卵。使われたのは、遺伝子を意図的に変化させる「ゲノム編集」という技術です。
広島大学とキユーピーが発表したのは、卵アレルギーの原因物質「オボムコイド」を世界で初めて完全に取り除いた卵です。「オボムコイド」は加熱しても残るため、卵アレルギーの原因の一つとなっていました。
卵アレルギーは、食物アレルギーで最も多い3割を占め、乳幼児が気づかず食べる誤食などがありました。子どもが卵アレルギーだったという女性は…
卵アレルギーの子どもを持つ親
「まだ離乳食を食べていないのに、(娘に)アレルギーが出た。やっぱりそれに代わるものを探すっていうのが大変でした。それを抜くっていうのが、やっぱり子どもは精神的にかわいそうだったかな」
今回、使われたのは「ゲノム編集」と呼ばれる遺伝子操作の最新技術です。遺伝子組み換えは別の生物などの遺伝子を加えますが、ゲノム編集は元々の遺伝子から狙った部分のみを切り取る技術です。
広島大学大学院統合生命科学研究科 堀内浩幸教授
「(味は)変わりません、普通の卵。(卵アレルギーの人は)食べたくても絶対手がでないTKG(卵かけご飯)に手が出る」
ゲノム編集による食べ物の安全性については、「遺伝子を切り取っただけで安全であり、変異による副産物などが含まれていないかは念のため確認している」と説明しています。
販売時期は未定。臨床試験を行い、商品化を目指すということです。
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