「恩返しをしたい」27歳、番台に立つ…

パートや委託従業員を募ったところ、救世主となったのは、地元を愛する27歳の女性でした。

新人従業員(番台) 宮内香織さん:
「入善の町が大好きなので、何か恩返しできればと思い、請け負わせていただきました。町の皆さんで来たことない人にも来てもらって、さらに人気になって、商売繁盛できればと思います」

実はこの銭湯、前の経営者が2018年に脳梗塞に倒れ一時、廃業となっていました。

しかし、その2年後に憩いの場であるこの銭湯を再生させようと、入善町の若手経営者らでつくる合同会社「善商」が復活させました。

「善商」浜田雅弘さん:
「僕自身、子どものころから通っていた銭湯を、こういうふうに経営に関わらせてもらって、本当に地域の皆さんから『経営してくれてありがとう』っていう言葉を素直にいただいて、うれしく思っています」

4月10日の再復活から、営業時間を午後2時半から9時半と、これまでより1時間短縮しています。

売上金を自動で管理できる券売機に変えるなど、休業の原因となった、従業員の負担を軽減するため、試行錯誤の営業が続きます。

「善商」浜田雅弘さん:
「銭湯のない町って、すごくさびしいなって思いますので、なんとかしてこの銭湯を維持して、次の世代に残していきたいと思います」

かつて、1日100人を超える利用者が訪れた「観音湯」。2度目の経営危機を乗り越え、その賑わいは取り戻せるのでしょうか。