2022年8月の豪雨で大きな被害を受けたJR「米坂線の復旧費用」が、86億円に上ることが分かりました。
JR東日本新潟支社では、沿線自治体へ負担を求めることになるとしています。

新潟県村上市と山形県米沢市とを結ぶJR米坂線は、2022年8月の豪雨で被災して以降、再開のめどが立っていません。
JR東日本新潟支社は25日に会見を開き、現時点で被災前の状態に戻す復旧工事を開始した場合、費用はおよそ86億円、工期はおよそ5年かかる試算を発表しました。

内訳は、盛土など土木工事に50億円、線路敷設に14億円など。
新潟県内の路線分はおおむね31億円です。

小川治彦新潟支社長は、今後の復旧のあり方について「まずは費用と工期を沿線の自治体に説明し、原型の復旧のみを対象とせずに議論を始めたい」としました。

【JR東日本 小川治彦新潟支社長】
「最終的に地域の足を確保するためにどのような方法があるのかについて、今のところ想定しているものがあるとか、これが適切だ、という考えをもっているわけではない」

人口減少や新型ウイルス禍の影響もあって大幅な赤字路線となっていた米坂線。
地元で懸念の声が上がる「廃線の可能性」について小川新潟支社長は、

【JR東日本 小川治彦新潟支社長】
「わたしたちとしてこの地域からいなくなることは全く考えていない。沿線自治体への説明をしていく中ではやはり、何らかの協力をお願いしたいということは申し上げることになると思います」と述べ、

村上市や関川村などを含めた沿線の自治体にも費用負担など協力を求める方針とし「鉄道路線復旧やバスへの転換など、さまざまな選択肢の中から最終的な結論が出てくる」としました。

JR東日本は、5月8日以降に沿線自治体への説明を順次行いたいとしています。