新鮮で、店頭に並ぶものと変わらないおいしさなのに捨てられてしまう野菜を有効活用する取り組みを紹介します。こうした残念な野菜が、地元の人たちの力でおいしくて栄養たっぷりのスープに生まれ変わりました。
三島市のカフェ「モフーピー」です。
<店員>
「やさしい味」
試食しているのは、カフェで提供する予定の新メニュー。ほうれん草とケールと三島モリンガのスーパーグリーンサグなど全部で3種類。箱根西麓三島野菜がふんだんに使われていて、おいしいだけではなく、栄養満点です。
<店員>
「おいしい。全然はじかれって感じがしない」
3つのスープはすべて“はじかれ”野菜を使ったスープだと言いますが、はじかれ野菜とはいったい?
<川崎農園 川崎耕平さん>
「もう好きなだけ(持って行って)」
<岡本雅世さん>
「これ、お行儀よく並べてある」
<川崎農園 川崎耕平さん>
「これはもう乾かして処分します」
スープを考案した岡本雅世さんがこの日訪れたのは、三島市の川崎農園。ホウレン草を育てていますが、ここにあるものはすべて捨てられてしまいます。
<川崎農園 川崎耕平さん>
「ホウレン草って今スーパーに並んでいるのが25cmとかで、それ以上大きくなると出荷できなくなる」
Q.これで何cmくらい?
「これ、もう50cmくらいある。これはもう絶対出荷できないんで」
スーパーに出荷できる野菜の大きさには決まりがあり、ホウレン草は約25cmまで。規格に収まらず市場に出回らない作物が「はじかれ野菜」。川崎農園では毎年、8000~1万束ほどが捨てられてしまいます。
<川崎農園 川崎耕平さん>
「3月4月は寒い時期から急に暖かくなるので、ホウレン草の生育が1日に2cmほど伸びちゃう。僕らのほうも収穫が間に合わなくて」
一方、こんな野菜も。
<岡本雅世さん>
「意外とっていうか、全然現役ですよ」
三島市の前島農園に広がるのは、栄養バランスが良いことから野菜の王様と呼ばれるケール。
<前島農園 前島弘和さん>
「副産物みたいなものなので。今獲る葉っぱって。今は葉ショウガとトウモロコシの管理に追われちゃってて」
畑には1500株のケールがあり、冬の時期に一度すべて収穫しました。その後育ったケールは他の野菜の収穫作業もあり、捨てられてしまいます。
<岡本雅世さん>
「みんながスーパーで買う野菜の裏に、こんなのがひもづいてて、農家さんはバタバタ忙しく飛び回っててみたいなのを面白く伝えられたらいいなと思って」
三島を中心にデザイナー、カメラマンとして活動している岡本さん。仕事で農家の人と関わる中で、おいしいのに捨てられている野菜を目にし「はじかれ野菜スープ」を考案しました。
<岡本雅世さん>
「こんにちは。材料を持ってきました。お邪魔します」
訪れたのは、伊豆の国市の惣菜店。さっき獲ったホウレン草やケールでスープを作ってもらいます。
<キッチンエビセン 菅沼道子さん>
「捨ててしまうことがもったいないというか、生かせる手段があると思うので、力になれればと思う」
タマネギなどを炒めたものに約3kgのホウレン草を加えます。その後、ケールも加えて煮たら完成です。
<岡本雅世さん>
「いただきます。おいしい」
<菅沼道子さん>
「それぞれの素材が生かされて、これホウレン草の味だな、ケールの味だなというのが楽しめる」
<岡本雅世さん>
「こういう風にはじかれちゃって、こういう風に作られてるんだというのを見て、食べてくださる人に届くといいなと思う」
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