「嬉しい。嬉しい」虎頭を託されたのは中学1年生
加美町消防団 味上庄一郎部長:
「ここから。ここからまた厳しくなる。しっかり覚悟して頑張りましょう。ハイ!」

この日、およそ40年ぶりにまつりに登場するあの虎頭が持ち込まれました。
消防団員:
「40年ぶりに帰ってきた虎頭です」

虎頭は、中学1年生の残間彩太さんに託されました。
中新田中学校 残間彩太さん(12):
「ちょっと重い。ちょっと嬉しい。嬉しい。あと嬉しい」

このあとさっそく、虎頭を手に稽古に臨みました。
新型コロナの影響で、3年連続で中止となった虎舞。今年、虎に扮する小中学生は全員、まつりで舞いを披露するのは初めての経験となるため、練習期間を例年より5日ほど長くとりました。

虎舞を演じる小学生:
「厳しいこともあれば楽しいこともある。かっこよくて、すごい目立ちやすい踊りにしたい」

中新田中学校 残間彩太さん(12):
「屋根にも登るので、大きく面を振って目立てればいい。見た人全員に感動してもらえるような舞いができればいい」

いまからおよそ670年前、当時の領主が中国の故事「雲は龍に従い、風は虎に従う」に習い、虎の威をかりて風をしずめ火伏せを祈願したのが始まりとされる火伏せの虎舞。4月29日、加美町の中新田地区で子どもたちがそれぞれの虎頭に魂を込め、4年ぶりに伝統の舞いを披露します。

当時を知る団員によりますと、虎頭は、初午まつりの本番の休憩時間に盗まれたということです。しかし、その後の本番が迫っていたため、探すことは難しくもう見つからないと半ばあきらめていたといいます。長い時を経て戻ってきた貴重な虎頭が披露される4年ぶりの初午まつりは大勢の人で賑わいそうです。