国内初の「飲む中絶薬」を認めるかどうか。厚生労働省できょう、異例の再審議が行われています。期待が寄せられる一方で、海外で服用を経験した人からは処方の際の環境整備を求める声も上がっています。
「社会的な関心が極めて高いということから慎重な審議が必要」
薬の承認ではおよそ10年ぶりの“異例の再審議”となっているのは、国内初の「飲む中絶薬」。
日本では現在、中絶は手術を行う方法しかありませんが、この薬は妊娠の進行を止める「ミフェプリストン」と子宮を収縮させる「ミソプロストール」の2種類を飲むことで中絶を行うものです。
飲む中絶薬には「容易な中絶に繋がる」などと反対の声もある一方、望まない妊娠に迅速に対処できる手段などとして期待する声も聞かれます。
パブリックコメントには1万2000件もの意見が寄せられ、厚労省によりますと、3分の2程度は承認に“賛成”だということです。
「飲む中絶薬」は、海外では30年以上前から普及していて、中絶のほかにも、流産した際の処置などにも使われています。
京都に住む産婦人科医の池田裕美枝さん(44)。
「これが流産の診断をされたときの写真」
10年ほど前に、夫婦でイギリスに滞在していた頃、妊娠6週目の赤ちゃんの心臓が止まっていることが分かりました。
日本では流産をした際、数日かけて自然に子宮の中に残る組織が排出されるのを待つか、手術で処置することが一般的です。
ただ、池田さんはすでにイギリスでは認められていた「飲む中絶薬」をあえて選びました。
産婦人科医 池田裕美枝さん(44)
「手術って、麻酔されて寝ていたら終わる。自分が、この子のお母さんとしてできることは自分でやりたいという思いがあって、飲み薬を選択しました」
薬は診断を受けた医師の前で、数日に分けて服用しました。
産婦人科医 池田裕美枝さん(44)
「結構お腹痛くなった記憶があって、もうベッド上でガタガタ震える感じで、痛くて。夫が一生懸命、背中をさすってくれていたのを覚えている。2人で乗り越えた感があったので、それは良かった」
池田さんは飲む中絶薬でも腹痛や出血がともなう場合があるとして、使用する際は専門的なフォロー体制が必要になると強調します。
産婦人科医 池田裕美枝さん(44)
「渡して飲まして終わりではなく、お腹が痛くなったときに医者・看護師に伝えられる体制があることが、ご本人の安全・安心に繋がるケースが多い」
「飲む中絶薬」を承認するかどうかの結論は今晩、出る見込みです。
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