インドでIT大手アップルの初の直営店がオープンしました。アップルは現地での製品生産の拡大も目指していて、いま、経済成長を続けるインドが中国に代わる“世界の工場”となるのか注目されています。
金融都市・ムンバイで今週開業したインド初のアップルストア。アップルのティム・クックCEOも駆けつけ、訪れた人たちを出迎えました。
訪れた客
「とても興奮しています。きのうの夜から一番に並びたかったのですが、母からクレイジーだからダメだと言われたんです」
「テクノロジーが好きな私には絶対にiPhoneが必要です」
2日後には、首都・ニューデリーにも2号店がオープン。
インドのスマホ市場は、低価格な中国や韓国のメーカーが高いシェアを占めていますが、携帯電話の普及率はまだ50%未満で大きな可能性を秘めています。
訪れた客
「インドの経済成長を見ていれば、アップルがインドにきたのも必然です。間違いなく大きな利益となることでしょう」
インド訪問の間、モディ首相とも会談したクックCEOは。
アップル ティム・クックCEO
「私たちはインド全土での成長と投資に取り組むことを約束します」
アップルは製品の生産についてもインドでの拡大を目指していて、アメリカメディアなどによりますと、2025年までにiPhoneのインドでの生産比率を最大で、全体の25%に引き上げる可能性があるということです。
アップルがいま、インド進出を本格化させた背景にあるのは、現在、大きな生産拠点となっている中国への依存からの脱却です。
アップルはiPhoneの9割以上を中国の工場で組み立てていましたが、去年、賃金などをめぐる大規模な抗議活動が発生。さらにゼロコロナ政策の影響で減産を余儀なくされました。
米中の対立が激化している情勢も相まって、生産拠点を一国に集中させるリスクが浮き彫りとなったのです。
サプライチェーンの転換はインドにとっても大きな追い風に。
インド モディ首相
「私たちは25年以内にインドを先進国にしなければなりません」
インドは国内初となる大規模な半導体の生産工場を計画中で、外国企業の誘致や電子機器の国内生産強化に向けた1兆円規模のプロジェクトを立ち上げました。
また、アメリカとも先月、半導体サプライチェーンを強化する覚書を交わすなど、次なる“世界の工場”として期待はますます高まっています。
一方で専門家は、「期待感が実体経済よりも膨らんでいる」と指摘します。
第一生命経済研究所 西濵徹 主席エコノミスト
「製造業の厚みが依然として弱い、若年層を中心とする雇用が乏しい。かつての社会主義のころの制度が依然として根強く残っているという問題もある。外の企業がインドに進出しやすい環境を作っていけるかどうかというのがインド経済の成長を大きく左右する」
今年、人口が世界一になる見込みのインドが真の「経済大国」となるには、まだ多くの課題があるようです。
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