私たちの食卓を直撃している卵の価格高騰。それは飲食店も同じです。
鳥取県倉吉市の食堂では、卵を使った人気メニューを苦渋の決断で卵を使わない形に変更しました。しかし、客足に影響が出るなど事態がさらに深刻化しています。

岡山県との県境近く、倉吉市関金町の「道の駅 犬挟」。

施設に併設されている「薬膳食堂 犬挟」では、関金特産のわさび丼や薬膳ランチなど、食材が本来持つ良さを生かしたメニューを味わうことができます。

そして、揚げたてのカツにソースをからめた「カツ丼」は、キャベツもたっぷり使ったボリューム満点の一品です。

記者 齊尾和之
「肉厚で食べごたえがとてもあります。そして、この甘辛のソースが良いですね、ごはんが進みますよ」

記者も大満足の、このカツ丼。実は4月から仕様を変更したんです。

つなぐ 楠本博文代表社員
「どうしようかなと、メニューをなくすわけにはいかないし。対策をしなくてはいけないということで、真剣に考えた」

鳥インフルエンザの影響などで価格高騰や不足が続く卵。

この食堂でも、去年始めから仕入れ値が徐々に上がり始め、10キロ当たり2600円だったのが、現在は4300円と約1.7倍に。さらに、仕入れ業者から、今後入荷数の制限がかかりそうだとの通達を受けたといいます。

市民生活にも物価高騰の余波が広がる中、何とか価格を据え置こうと、卵を使ったオーソドックスなカツ丼からソースカツ丼へ仕様を変えました。

つなぐ 楠本博文代表社員
「注文があったときに、変更があったお知らせするようにしている。そういった中で、キャンセルする人もいる」

工夫はしたものの、以前のカツ丼のファンもいて、客足にも影響が出ているといいます。

つなぐ 楠本博文代表社員
「(カツ丼の)注文自体はちょっと減ってきている感じはしますね。そうですね、非常に厳しいところですね」

新型コロナの影響が収まる一方、続く食品や油、調味料の値上げ。
飲食業界では、いかに店の経営を維持するかの模索が続いています。