様々な食材の値上げが家計や外食産業を直撃しています。パン店では、小麦の値上げに加えてタマゴの供給不足も重なり、盛岡のあのソウルフードにも影響を与えています。

 ふわっとしながら弾力のあるコッペパンに、「あんバター」、「ハンバーグ」など好みの具をサンドして食べる「福田パン」は、地元民から観光客まで多くの人に愛される盛岡のソウルフードです。
 その福田パンが今、度重なる原材料価格の値上げに見舞われています。

(福田パン 畠山靖弘さん)
「こちらのイチゴミルクとかメロンクリームとかカボチャクリームのクリーム類が値上げ対象になっています」

 これまで段階的な植物性油脂の値上げがクリーム類の原価を押し上げてきましたが、加えてパンの主原料である小麦粉が去年の春に続いてまたも値上げされる見込みです。
 政府は半年ごとに決めている輸入した小麦の価格について、今年4月から1トンあたり7万6750円とすることにしました。これは2007年以降で最も高く、2年前のおよそ1.5倍です。
 国が輸入した小麦の値上げは、今後、卸売り価格や小売り価格に反映される見込みで、福田パンにとっても小麦粉の仕入れ価格がいつ、どの程度上がるのかは、経営に直結する無視できない問題です。

(福田パン矢巾工場 磯前和己さん)
「具体的なアナウンスはいただいていない状態で、一体いくらで来るか戦々恐々としているところです」

 頭を悩ます問題はほかにもあります。

(リポート)
「こちらバスセンター内にある中ノ橋店では先月半ばからタマゴメニューをお休みしているんです」
(福田パン 畠山靖弘さん)
「入荷制限がかかっていまして本店では何とか続けているんですが中ノ橋店では取り扱いは難しく、本店の方にまわさせていただいています」

 定番メニューのタマゴですが高病原性鳥インフルエンザによるタマゴの供給制限で、中ノ橋店とみたけ店では3月から関連メニューの販売をストップしています。

(畠山さん)
「コンビーフにタマゴを入れたりオリジナル野菜サンドにタマゴをトッピングしたりと出ていましたので、お客様も『ないんだな』と影響はありますね」
(磯前和己さん)
「いつ入ってくるか、いつ復活するか分からない状況で『タマゴしばらくお休みです』と。『いつからですか?』と言われてもお答えできないのが非常に歯がゆい状況です」

 福田パンは販売価格の改定も視野に入れながら、仕入れ価格や供給制限の動きを見守ることにしています。