旧ソ連アルメニアの首相は隣国アゼルバイジャンとの係争地をめぐり、和平に向け妥協の用意があると表明しました。

アルメニアのパシニャン首相は18日、議会の演説で係争地ナゴルノカラバフの帰属をめぐり、アゼルバイジャンとの間で続く紛争について「エネルギーや物流の交差点として地域の重要性が増している」と話し、和平の必要性を強調しました。

そのうえで、「アゼルバイジャンの領土の一体性を認める」として、互いに領土主張を行わない形で平和条約の締結を目指すと表明しました。

ただ、「ナゴルノカラバフの放棄」とみる野党側の強い反発も予想され、最終的な和平が実現するかどうかは不透明です。

ナゴルノカラバフをめぐっては、双方で6000人以上が死亡した2020年の大規模な軍事衝突でアルメニア側が敗北。ロシアが仲介する形で停戦したものの、その後もたびたび衝突が起きています。

アルメニアはナゴルノカラバフ情勢へのロシアの対応に不満を示していて、加盟しているロシア主導の軍事同盟CSTO=集団安全保障条約機構の自国での演習を受けれない方針を示すなどしています。