虹が二重に見える「ダブルレインボー」という現象が、16日、高知市で見られました。それぞれに名前があり、色の並びも反対に見えるんです。テレビ高知の東杜和気象予報士が解説します。
高知市で、16日の午後5時半ごろに撮影された写真です。きれいな虹が見え、その外側に、もう一つ、虹が見えます。

内側が「主虹」、外側が「副虹」、間は?
これは『ダブルレインボー』と言う現象。この2つの虹にはちゃんと名前がついています。まず、くっきりとうつっている、内側の虹が「主虹(しゅこう)」。外側にぼんやりうつっているのが「副虹(ふくこう)」。そしてこの2つの虹の間は「アレキサンダーの暗帯(あんたい)」という名前がついているんです。

よく見ると、主虹の内側が明るくなっていて、アレキサンダーの暗帯は、文字通り暗く見えます。主虹の内側にはよく光が集まっているためです。
主虹、副虹で色の並びが違う、なぜ?
そしてもう1つ特徴があります。我々がよく見てる虹は、外側が赤、内側が紫なんですが、外側にできる副虹は、外側が紫で、内側が赤くなっています。

虹は通常、雨粒に入る光が屈折してできます。上から入って下から出た光が、よく目にする虹(主虹)。逆に、下から入った光が雨粒の内側で2回反射して見える虹が、副虹。2回反射しているので、色の並びが反転し、光も弱くなっています。
ちなみに、“アレキサンダーの暗帯”の語源は、古代ギリシャの哲学者、アレクサンドロスが初めて記述したことに由来すると言われています。

ダブルレインボーは、光の強さが強いときに見られます。この日は元々晴れていたところに雨が降る、いわゆる「天気雨」で、雨が降った後も、再びよく晴れたため、二重になりました。