90歳の時には新商品の開発に携わるなど、常に挑戦を続けてきた岡部さん。

【岡部キンさん(当時91)】「どうなったら柔らかく目がすれるか、粗いとゴツゴツしていて感触が悪い」

時には、工場を飛び出て爪ヤスリの良さを百貨店でPRも…。
【岡部キンさん(当時96)】「機械で作ったものよりも、手で作った方が目が深く入るのでいいと思います」

工場に勤めて60年以上、体調不良で休んだのは1週間だけだそうです。
その真面目な仕事ぶりは、工場の仲間にとって「当たり前にある刺激」だといいます。
【柄沢ヤスリ 柄沢良子 社長】「本当に真面目で負けず嫌いで、他の人が(1日)500本切ったって聞くと、『絶対明日は600本切る』っていう。みんなの手本だと思います。みんなで気を引き締めながら岡部さんを超えていきたい」

勇退まで1カ月を切り、工場の仲間は、岡部さんの技と生き方を少しでも学ぼうと1日1日を過ごしています。
