岩手県の大船渡市魚市場に14日朝、大型のクロマグロが大量に水揚げされ、浜は活気づきました。この日の水揚げで、資源保護のために定められている岩手県の今年度分の漁獲枠は残り5トンほどとなりました。
14日午前8時すぎにタンクを埋め尽くすほどのクロマグロを水揚げしたのは、陸前高田市の広田湾漁協に所属する定置網漁船など3隻です。水揚げされたのは体長が2メートルほど、重さが50キロから140キロほどの大型のもの261匹で、全体で27トンあまりとなりました。県内の定置網でのクロマグロの水揚げは5月から6月が中心で、例年より早い水揚げとなりました。
(第十八つばき丸 臼井英夫 大謀)
「獲れるくらい獲りたいなと思っているのですが、(網に)思ったより入ってくれているので今は大変喜ばしいですね」
尾びれが切り取られ、ずらりと並べられたクロマグロを買受人たちがじっくりと観察し、脂の乗り具合などをチェックしていました。クロマグロは1キロ当たり1710円から4640円で取引され、関東を中心に全国に出荷されます。
高級魚の驚きの水揚げ量に活気づいた市場ですが、心配なこともあります。
(臼井英夫 大謀)
「14日の水揚げで半分くらいは枠がなくなりそう。もっと獲らせてもらいたいなと思いますけどね。待ってて獲る魚なので、きればもう少し枠自体を増やしてもらって獲らせてもらわないと。今獲れる魚も少ないのでできればマグロだけでもせめて…」
水産庁は資源保護のため、年度ごとにクロマグロの漁獲枠を各都道府県に割り当てています。今年度の岩手県の枠は54.9トンですが、14日の水揚げで残りは5トンほどとなりました。枠を上回るとそれ以上水揚げすることができなくなるため、漁業関係者にとっては手放しで喜べない状況となっています。
漁獲枠の配分をめぐっては融通制度があり、交渉が成立すれば都道府県同士で枠を譲り合うことができます。岩手県はこれを活用し、昨年度は漁獲枠を100キロ増やしましたが、今年度については未定としています。