岩手県大船渡市の大船渡小学校で14日、津波避難訓練が行われました。東日本大震災で校舎が被災したこの学校では新年度が始まって間もないこの時期から、津波から身を守ることの大切さを学びます。

 大船渡小学校1年生の教室では14日、先週入学したばかりの子どもたちが地震の発生を告げるベルの音で一斉に机の下に避難しました。この小学校は東日本大震災で、校舎の1階天井付近まで津波が押し寄せました。学校は避難経路の確認と津波から命を守ることの大切さを学んでもらおうと、毎年新年度が始まって間もないこの時期に避難訓練を行っています。児童たちは学校で教わった「押さない」「走らない」「しゃべらない」「戻らない」の合言葉「お・は・し・も」に従って落ち着いて避難しました。

(訓練に参加した児童)
「いつ起こるか分からない震災のときのためにしっかりとお・は・し・もを守って避難でできたのでよかったと思います」

 沿岸の教育現場では震災後に生まれた児童たちに避難の大切さをどう伝えるかが課題です。

(大船渡小学校 佐々木康人校長)
「これからは家庭、地域と学校が連携しながら子どもたちの命を守っていくことが必要になると思います」

 佐々木校長は「震災を経験した世代が語り伝えることが子どもたちの命を守ることにつながっていくのでは」と話していました。