花見客でにぎわう岩手県紫波町の城山公園付近で11日午前子グマが目撃され、公園の入場が規制されました。気温上昇で活動が活発になっているとみられます。
(リポート)
「サクラの名所で知られる城山公園ですが、きょう午前、クマの目撃があったため、現在は入園を規制しています。公園の前の駐車場には現在もたくさんの車が訪れていて、折り返す車の姿も見られます」
紫波町によりますと11日午前9時30分頃、紫波町二日町で子グマ1頭を見たと通報がありました。目撃場所の南側にはサクラの名所である城山公園があり、町は公園への入場を規制しました。
(花見に訪れた人)
「怖いですよね。たぶん(出たのは)向こうじゃないかな。スギ林がある。そっちのほうかな。カタクリの花が咲いていたりして綺麗なんだけどちょっと残念でした」
公園の入場規制の解除の見込みは立っていません。
一方、花巻市では11日、今年度1回目のツキノワグマ対策連絡会議が開かれました。市では例年4月下旬に会議を開きますが、今年度は暖かくなるのが早く、クマの出没が早まる可能性があることから、開催を前倒ししました。
(花巻市猟友会 藤沼弘文会長)
「いろいろな地域の方々も打ち合わせをして、これから被害を防ぐためにはどうしたら良いかという会議を早くやってもらうと良い」
岩手県内では昨年度、クマによる人身被害が23件発生しました。2021年度の14件から9件増加していて、過去最も被害の多かった2020年度の27件に次ぐ件数です。
県自然保護課の菊地賢さんは昨年度の被害の状況も踏まえ、注意を呼びかけます。
(県自然保護課 菊地賢さん)
「(昨年度は)出没自体は例年と比較してとても多いという訳ではなかったが、人的被害は過去2番目に多いという状況になっている。この通り今年は暖かくなるのが早い。いつもより早くクマが出るという意識を持って山に入るときも生活するときも気を付けていただきたい」
県は被害の増加を受けて去年10月、今年度のツキノワグマの捕獲数の上限を昨年度より60頭増やし、過去最多の686頭とすることを決めました。
気温の上昇に伴いクマの被害に遭わないよう注意が必要です。