去年4月に首都圏の私立大学に入学した新入生うち、親元を離れて大学に通う学生の「受験から入学までにかかる費用」が1985年度の調査開始以来、過去最高額を更新したことがわかりました。

これは関東の私立大などの教職員組合でつくる東京私大教連が首都圏にある11の私立大学に昨年度入学した学生の家庭およそ4200件を調査したものです。

それによりますと、親元を離れて大学に通う下宿生の場合、「受験費用」「初年度納付金」「入学時の住居費」を合わせた「受験から入学までにかかる費用」はおよそ226万円で、前年度より2万1600円ほど増加し、過去最高額となりました。

下宿生への毎月の仕送り額は8万8600円で、コロナなどの影響で過去最低額を記録した2020年度より6200円増えましたが、依然として低い水準にとどまっています。

また、奨学金に関しては世帯所得などが申請基準を超えていることや、返済義務の負担などから希望者のうち、実際に申請したのは半数にとどまり、減少傾向となっています。東京私大教連の尾高進書記長は、保護者から奨学金無利子の所得制限緩和を求める切実な声が寄せられているとし、「返済の負担があることで生まれてきた家庭の経済状況で学びたいことが学べないことは日本の将来にとってプラスにならない」と話しました。