食卓に欠かせない食材「卵」ですが、鳥インフルエンザなどの影響で品薄が続き、最高値を更新し続けています。そんな中、注目されているのが…卵を一切使わずに作られたスクランブルエッグやオムライス。卵じゃない“たまご”…でも味はそっくりだそうです。
「代替卵」に熱視線 「卵」は最高値更新
しっとりと焼き上げたバウムクーヘンが人気の洋菓子店「エイトバウム」。

今、店長が頭を抱えているのが、卵の価格高騰です。
エイトバウム 中島克仁店長
「いや、もう2倍近くなってますね。発注できる数もやっぱり限られてきてるんです」

卵の卸売価格は、1kgあたり350円と過去最高値を更新。1年前と比べても約1.7倍になっています。
この店では1日約20㎏の卵を使用するため、値上げの影響は甚大です。
そこで取り組み始めたのが…
中島克仁店長
「結構、生地がこのくらい余っちゃうんですよね」

バウムクーヘンを作る際に余った生地を使って、新たにラスクを開発したのです。
エイトバウム 中島克仁店長
「日々、工夫して逆にもっと生み出せるのものがあるんじゃないかなと思って」
“難局”を乗り切る工夫が始まっていますが、卵の価格が元に戻る時期の見通しは立っていません。
記者
「白い防護服を着た人たちが養鶏場に集まっています」

価格高騰の一因となっている鳥インフルエンザ。
3日も北海道千歳市で発生が確認され、今シーズン、殺処分の対象となったのは全国で1740万羽に上っています。
全体の1割を超える鶏が殺処分されたことになり、卵の供給不足は当面、続くと見られています。
こうした中、4日、都内のイベントに登場したのはギャル雑誌「egg」のモデル・みりちゃむさん。
“ふわとろ”のオムライスを試食してみますが…

実はこのオムライスにたまごは一切使われていません。
eggモデル みりちゃむさん
「卵も半熟感だし、本当においしいでしかない」
これは、にんじんや白いんげん豆など、植物由来の素材を使った「代替卵」の商品。

「カゴメ」などが開発し、4日から全国のスーパーで販売が始まりました。
卵の供給が安定しない中、こうした「代替卵」に今、熱い視線が注がれています。
UMAMIUNITED JAPAN 山﨑寛斗社長
「こちらが『UMAMI EGG』植物性の“卵”パウダーの商品」

都内のベンチャー企業「UMAMIUNITED JAPAN」が手掛けた代替卵。
こんにゃくなどから作った粉末を豆乳などに混ぜ、あとは普段の卵料理と同じようにフライパンで焼くだけです。
簡単にスクランブルエッグが完成しました。
記者
「食感や味もかなり本物の卵に近いですね」
これまでは卵アレルギーの人やビーガンに向けた販売が中心でしたが、今はお菓子や加工食品のメーカーなどから問い合わせが急増していると言います。

山﨑寛斗社長
「月で言うと数100件(の問い合わせ)、昨年末から比べると20~30倍に増えている」
「(卵は)“物価の優等生”と言われて何十年も来ていたので、ここまでになるとは予測していなかった」
食卓に深刻な影響を及ぼしている卵不足。農水省によりますと、一部の企業がブラジルから卵を輸入する動きもあるということです。