海外との行き来が可能になり、外国人観光客が静岡に戻ってくることが期待されるようになりました。この切り札として期待されるのが、2023年静岡県が選ばれた「東アジア文化都市」です。いったいどんな取り組みなのでしょうか?

3月29日のランチタイム。浜松市東区のウナギ専門店では、広島からツアー客が訪れ、お昼だけで約200食のうな丼を振る舞いました。新型コロナの感染者数が減り、店には以前の活気が戻りつつありますが、望むのはそれ以上のにぎわいです。

< 炭火焼うなぎ専門店 松葉 加藤三晴代表>
「インバウンドの方もたくさん来てくれる。日本に訪れて、食べ物を食べて、たくさんの方が来店してくれるのを期待しています」

これから外国人客をどうつかんでいくのか?その切り札として期待されているのが、静岡県が2023年選ばれた「東アジア文化都市」です。

東アジア文化都市とは、日本、中国、韓国の3か国で選ばれた都市が、年間を通じて文化・芸術のイベントや交流などを図るものです。

今回、広報アンバサダーとして静岡県を国内外に発信するのは、舞台で芸術作品を披露するSPAC(静岡県舞台芸術センター)です。

<SPAC 俳優 宮城嶋遥加さん>
「(静岡県の)文化と芸術の力が再認識してもらえるキッカケになっていくとうれしい」

<SPAC 俳優 阿部一徳さん>
「まだまだSPACが静岡県立とはいえ、知られていないので、逆に僕らのことを知ってもらえるチャンスだと思う」

発信の対象は食事や演劇だけではありません。静岡県内有数の桜の名所、富士市の岩本山公園は、その絶景をアピールできる可能性を秘めています。東アジア文化都市では、地域の祭りや伝統芸能、イベントも静岡県に申請して認められれば、その1つとして全国や世界に発信されるのです。

<富士山観光交流ビューロー 鈴木誠典さん>
「富士山とサクラの景色をSNSでアップしたところ、台湾やベトナムから『いいね』が押されたことが結構あった。インバウンドも活性化されて、お客様(の数)も伸びて来ていただければと強く思っている」

静岡県は、これまであまりクローズアップされてこなかった県内のイベントも、静岡県の文化として発信していきたいと言います。

<静岡県東アジア文化都市担当 渋谷浩史理事>
「これからアフターコロナの時代に向けて観光やインバウンドが再開していく中で、東アジア文化都市というブランドを大いに活用してそうしたものの起爆剤にしていきたい」

中国や韓国との交流を加速させるため、5月2日に静岡市のグランシップで東アジア文化都市の春の式典が開かれます。会場では中国や韓国の文化公演を見られるということです。