命を救ったのは、その場にたまたま居合わせた2人の「とっさの判断」でした。踏切内で倒れている高齢の男性を救助した、団体職員の女性と大学院生の男性2人に、警察から感謝状が贈られました。

踏切で転倒していた80代の男性を助けたのは、団体職員の岸桂子さん(47)と大学院生の今野優大さん(23)の2人です。きょう(30日)、岡山中央警察署などから2人に感謝状が贈られました。

「高齢男性が踏切内で転倒し、動けなくなっている」

3月14日の午後6時半ごろ。岸さんは仕事帰り、今野さんはアルバイトに向かう途中でした。岡山市北区南方のJR山陽本線の平畔踏切内で、2人は手押し車とともに転倒し動けなくなっている80代の男性を見つけたのです。

(団体職員 岸桂子さん)「いや、もう最初はちょっと驚いたんですけど、もう必死でした。ちょっと暗くて、とにかくびっくりしたのが最初でした」

(大学院生 今野優大さん)「『倒れてる』ってなったんで、助けないとって」

駆け寄るやいなや踏切の警報音が...その時「とっさの判断」

救助しようと、それぞれ乗っていた自転車を降り駆け寄ったところ、ちょうど通勤通学時間帯ということもあって、すぐに踏切の警報音が鳴り始めたといいます。

「助けないと!」ここで見ず知らずの2人が「とっさの判断」をしました。まず今野さんが踏切の警報機に駆け寄り非常ボタンを押しました。

そして、岸さんと2人で男性を必死に抱え上げ、手押し車とともに踏切の外に運び出したということです。倒れていた男性は、最初持ち上げようとしても何かが線路に引っ掛かっていたとみられ、なかなか抱え上げることができなかったといいます。

(団体職員 岸桂子さん「ただただ、とにかく線路の外に出さなければと必死でした」)

(大学院生 今野優大さん)「もし列車にひかれてしまったら大惨事になっていたので、助けられてよかったなと。今後同じようなことがあっても助けようと思います」

その時、1人しか居なかったら危なかった。。。たまたま居合わせた2人の判断が、高齢の男性を救いました。

(岡山中央警察署 岸本克則 署長)
「なかなか一歩目が出なかったり怖さがあったりする中で、勇気ある行動を取っていただいて、本当に感謝しています」

なお、転倒していた男性は警察に保護され、無事家族に引き渡されたということです。