台湾の蔡英文総統が中米訪問の過程でアメリカを経由することを受けて、アメリカ政府高官は中国が台湾周辺での軍事的な威嚇を強めないようけん制しました。

カービー戦略広報調整官
「中国はこの経由を口実に、台湾海峡周辺での攻撃的な活動を加速させるべきではありません」

アメリカNSC=国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官は29日、蔡英文総統が中米訪問の前後にアメリカを経由することを受けて、中国の動きをけん制しました。

カービー調整官は、アメリカに立ち寄ることは「訪問ではなく、非公式で私的なものだ」と指摘したほか、「アメリカ政府の『1つの中国』政策とも合致するものだ」と説明。「バイデン政権は中国との対話の手段を開いていて、それが続くことを望む」としています。

去年8月、ペロシ前下院議長が台湾を訪問した後、中国は台湾周辺で軍事的な威嚇を強めたため、アメリカ政府は今回の蔡総統の経由をめぐっても、中国の動きを警戒しています。