“宗教と虐待”への支援は? こども家庭庁も対応へ

宗教的な虐待をめぐっては、4月1日に発足する「こども家庭庁」が全国の児童相談所に配置する児童福祉司などを2000人増やし、対応を強化することにしています。

ただ、自立に向けたサポートが整っているとは言い難い状況です。

1000人を超える宗教2世を対象とした大規模な調査では、5割以上の人が宗教的なトラウマや、脱退希望者などに対する支援の拡充を望んでいました

3月29日の会見でも…

エホバの証人 元「宗教3世」夏野ななさん(仮名)
「私も教団から自力で脱出したときは未成年だったので、生きていくのに様々な障害がありました。もしあのときにシェルターなどに入ることができていたら」

“宗教と虐待”への支援は? 子どもの相談少ないワケ

須賀さんは教団を抜けた後、自分のように孤立する2世たちを支えようと、企業で秘書として働く傍ら、カウンセラーの資格を取得しました。

エホバの証人の宗教2世だというこの男性も、子どもの頃から誰にも宗教の悩みを相談できなかったといいます。

エホバの証人「宗教2世」の男性
「誰もわかってくれないんじゃないかっという、寂しいというか、切ないというか、本心では多分、助け出してほしいと望んでたんですけども、それは誰にも言えなかった。須賀さんであれば、私の気持ちは理解してもらえるなという安心感が本当に大きくて」

「宗教的な虐待を受ける子どもたちが声をあげることはとても難しい」。そう指摘するのは2世らを支援する団体の代表です。

宗教2世支援センター「陽だまり」 秋本弘毅理事長
「本人の心の中にも信仰のようなものが残ってると、その人にとっては罪悪感であるとか、つらさに繋がってしまう。あるいは親と同居してると『やめたい』と言ってもなかなかやめられない。10代の相談というのは、ほぼゼロではないんですけれど、極端に少ない

「エホバの証人」は虐待などが指摘されていることに対して、「歪んだ報告や誤った結論が出されていることに、心を痛めています」などとコメントしています。