JR九州は、運転士の負担を軽減するための「運転支援装置」を、鹿児島線で導入します。早ければ2023年度末から、客を乗せた状態で運転を始める方針です。
◆JR鹿児島線で試験走行

RKB小畠健太「今運転士が2つのボタンを同時に押しました。列車が徐々に動き出します」
先週、報道陣に公開された鹿児島線での試験走行。車両に搭載された装置が、走行中の速度調整や列車の停止を自動で制御します。
◆2019年から“自動運転”試験走行開始

JR九州は将来的な運転士不足を見越して、免許を持たない職員でも列車を走らせることができるよう、香椎線で2019年から「自動運転」の試験走行を開始。現在は、香椎線の6割を超える車両で客を乗せて自動運転を行っています。これまでに延べ30万キロ以上走り、17万回を超える停止を繰り返してきましたが、手前で止まることはあっても、オーバーランや事故は発生していないということです。
◆今回の目的は「運転士の負担軽減」と経済性

香椎線の実証で得た技術とノウハウを基に、鹿児島線の赤間駅から久留米駅までの区間で「自動運転支援装置」の試験走行を3月10日から始めました。鹿児島線での試験は香椎線と違い、「運転士の負担軽減」を目的としています。
車両に搭載された装置には駅や線路の形状に加えて、運転士の走行データが記録されていて、模範的な運転ができるといいます。
JR九州 鉄道事業本部 青柳孝彦さん「香椎線の仕組みですと、基本的には線路の状況だけしか知らなかったので早く着いたりしがちで、消費電力も多い。今回は運転士の模範運転を基にしているので、(経済的にも)ほぼ100点という走りができています」
◆運転士の負担を大きく軽減
運転士は手動で運転することもできますが、基本的に装置が自動で速度調整してくれるため、負担が大きく軽減されます。

運転士 福田和臣さん「支援してもらってるな、という感じはあります。自分で手動で運転する時は常に遅れたり、時間を調整しながら走っているので、速度調節を極力しないでいいという部分が大きいと思います」
今回の試験走行では、正常な位置に停車できるかなどをチェックしていきます。

JR九州 鉄道事業本部 青柳孝彦さん「実証運転までには、運転士さんの役割と装置の役割がしっかりフィックスできるような仕組み、取り扱いを定めていく必要があると考えています」
JR九州は今後試験走行を重ね、早ければ2023年度末にも客を乗せた形での実証運転を始めたいと話しています。














