手入れが行き届かなくなった「放置竹林」。土砂災害を引き起こすおそれもあり、全国で問題となっています。福岡県久留米市でラーメンの具材などに使われるメンマに加工する取り組みが行われています。

◆繁殖力が強いのに根は浅くはる竹林……災害の可能性も

福岡県久留米市にある高良山(標高312メートル)。中腹には高良大社があり、最近は「九州オルレ」のコースとして注目されるなど、地元の観光スポットとなっています。

チェーンソーで作業しているのは、久留米市出身の渡辺琢磨さんと本多修三さん。週に1回、ボランティアと一緒に高良山で「放置竹林」の整備を行っています。

「放置竹林」は、たけのこ栽培のためなどに植えられた竹林が管理されなくなり、放置されてしまったものです。竹は繁殖力が強く根を浅くはるため、土砂災害を引き起こす可能性が高く全国各地で問題となっています。

渡辺琢磨さん「代々引き継がれている竹林があって、今までは父が整備していたんですけど、高齢になって私が引き継ぐことになるので、この竹林をどうしようかと」

◆メンマ作りに挑戦することに

普段は不動産業を営む渡辺さん。放置竹林の整備で悩んでいたとき、糸島市の事業者が放置された竹で「メンマ」を作っていることを耳にしました。

渡辺琢磨さん「習いに行って、それが竹を活用できるいい方法じゃないかな、と。久留米でもやってみよういろんなノウハウを教えてもらって」

渡辺さんと本多さんは糸島市を訪れ、「メンマ」の作り方を学びました。約3メートルに伸びた竹を切り、皮をはぎ、火を通して塩漬けにします。最後に味を付ければメンマの完成です。

本多修三さん「生まれ育った場所ですから、恩返しができないかなという思いがありまして、彼の悩みを聞いて、一緒にやってみようと」