「人にやさしく接することができるような大人になりたい」

歓汰さんは、料理が好きで、カレーやグラタンを家族にふるまうことも。妹の梢恵ちゃんと料理をするなど、いまではすっかり面倒見のいいお兄ちゃんです。

そんな2人に、由梨さんは“あるもの”を見せることにしました。当時の新聞です。これまで見せることはありませんでしたが、4月からは歓汰さんも中学生。家族が一緒にいるあたり前の幸せを実感してほしいと考えました。

歓汰さんも自分が生まれた日についてじっくりと話を聞いたのは初めてでした。

増川歓汰さん(12):
「結構、驚きました。がんばってくれたんだなという。いっぱい人が亡くなっている中で自分が生まれて、その人たちの分まで生きるというか…。生きたいという意志はあります」

2月、歓汰さんの通う東大阪市の小学校では、防災の授業が行われていました。ハザードマップを確認したり、防災バックの中身について意見を出し合ったりしました。

増川歓汰さん:
「いつどんな災害が来るのかわからないので、日頃からどうやって自分自身を守るかを考えて心構えをして過ごしたいです」

自分が生まれた時もそうだった。災害は、いつ起こるかわからない。だからこそ、「歓汰」の名前の通り、人を“よろこばせ(歓ばせ)”“受け入れられる(歓迎)”そんな人になりたいと思っています。

増川歓汰さん(12):
「周りの人とか家族を大切にしていきたい。人にやさしく接することができるような大人になりたいです」