政府が閣議決定した物価高対策などについてスタジオで解説します。

南波雅俊キャスター:
政府が閣議決定した物価高対策などについてお伝えしていきます。まずは総額2兆2000億円という物価高対策、その中身から見ていきます。
【政府 物価高対策などに2兆2000億円 支出】
地方創生 臨時交付金:1兆2000億円
・低所得世帯へ1世帯3万円給付
・地方で利用の多い LPガス料金の負担軽減
・飼料の高騰などで・・・ 酪農家への支援
など
自治体に任される範囲が非常に広いということです。
1兆2000億円に加えて、その他、低所得世帯の子ども1人当たり5万円の給付などの予算の支出も決まりました。
松野官房長官はこう話しています。
松野官房長官(3月28日)
「対策を早急に実行に移すことで、物価高から国民生活や事業活動を守り抜いていきたい」

その物価高についてもみていきたいと思います。食品値上げが続きます。
【4月も値上げラッシュ】
4月の値上げ…4892品目(帝国データバンク)
牛乳、ソーセージ、マヨネーズ、スナック菓子 など
ここまでの累計でいくと、2022年の3倍ぐらいのペースで物価高、食品の値上げは続いています。
そして、4月以降は輸入小麦の価格も値上げされます。
そもそもこの輸入小麦、日本自体が今8割以上を輸入に頼っているんですが、政府が一括で購入をしていきます。そしてそれを製粉会社に売り渡す形なんですが…。
【輸入小麦の売り渡し価格】
4月~ 5.8%値上げ(過去最高値)
食パン1斤:202円→+1.1円
家庭用薄力粉:323円→+4.5円
ただこれは加工コストについては計算されていませんので、実質はもっと値上がりするのではないかとみられています。
専門家はどう見ているのか。

みずほリサーチ&テクノロジーズ 経済調査チーム 酒井 才介 主席エコノミスト
「迅速に低所得者層など、的を絞った対策は評価できる一方で、対処療法のようなその場しのぎの対策でしかない。日本は資源輸入国で物価高の要因の一つに燃料費高騰があるため、化石燃料に依存しないグリーン経済を推し進める必要がある」
グリーン経済を推し進める必要がある、例えば脱炭素を進めていかなくてはいけないと専門家は見ています。
元競泳日本代表 松田 丈志 さん:
やはり燃料費も高騰しています。家の電気代が安いときと比べて、倍ぐらいになっている月がある。それを見たときにちょっと夫婦で話して、何をして電気代を削っていけるかみたいな話をした。
うちは子どももいるので電気をこまめに消すとか、浴室乾燥を使わないようにするとかをやっている。特に子育て世代に関しては、食費はどうしても削れない部分があります。やっぱり物価高騰は死活問題という感じがする。
ホラン千秋 キャスター:
グリーン経済を進めようと思っても、目先の生活が大変なのに・・・となってしまう。将来への投資はわかるけれど、もう少し後にしてくれないかという見方もある。
松田さん:
将来的には化石燃料に頼らない世界ができるといい。けれどやっぱり今困ってる人がたくさんいると思う。
あとは僕の実家がもともと農業をしていた。日本の農業をもっと盛り上げることはできるんじゃないか。もっと酪農業者さんを含めて、日本の農業を応援していく体制、畑や田んぼが余っているので、それを活用して欲しい。