中国で働く日本人の受け止めは?

小川彩佳キャスター:
製薬大手社員の拘束ですが、現地の日本人社会はどう受け止めているのでしょうか。

北京支局 立山芽以子 支局長:
中国で暮らす日本人の間では不安と動揺が広がっています。
ある企業の幹部は「拘束された方は中国での貢献が大きい方でもあり、ショックが大きい」と話したほか、日中関係筋は「このようなことが起きれば、中国に来たい日本人がいなくなる」と強い懸念を示しています。

日中関係をめぐっては2022年、約3年ぶりに首脳会談が行われるなど、少しずつではあるものの改善しているようにみえていました。


また、先の全人代=全国人民代表大会で中国政府は、中国経済を回復させるため外国企業の誘致にいっそう力を入れることを、わざわざうたっています。しかし今回「外国企業を歓迎します」という言葉とは全く逆のことが起きたわけです。

中国で暮らし、経済活動をする上でどのような行為が何の罪にあたるのかもわからず、いきなり身柄を拘束されるような国でビジネスを続けるのは、もはや難しいという声も上がっているほか、日中関係や人の往来に深刻な影響を与えるのではという悲観的な見方が広がっています。