各地で満開を迎えつつある「ソメイヨシノ」。その寿命が60年というのを聞いたことがあるでしょうか?専門家に話を聞くと、意外な事実が明らかになりました。
1000年も夢じゃないということなんです。
キャスター 小林健和
「山陰各地でサクラの見ごろ迎え始めています。サクラの中でも有名なこのソメイヨシノ。寿命60年説というのがあるのはご存じでしょうか?」
ソメイヨシノの寿命60年説。そもそも60年説というのはどこから来たものなのでしょうか?また、その説自体本当なのか…サクラについて詳しい専門家に話を聞いてみました。
日本樹木医会事務局 小林明 事務局長代行
「太平洋戦争が終わって復興に向かった頃にたくさんのソメイヨシノが植えられ始めた。それが傷んだサクラが(2000年代に)多少目立つようになったことから、(寿命が)50年から60年じゃないかという説が流行った。俗説だという風に考えている」
樹木医の小林さんによると、ソメイヨシノは江戸時代後期エドヒガンとオオシマザクラを交配してできた栽培品種。寿命60年は俗説だとしていますが病害虫に弱く、環境が悪かったり管理する人がいないと50年から60年で命の終わりを迎えると話しています。
一方、毎年およそ200万人がお花見を楽しみに訪れる青森県の弘前公園に植えられているソメイヨシノは樹齢100年を超えるものが、まだ300本以上残っているとのこと。今も立派に花を咲かせることからその管理技術に注目が集まっています。
日本樹木医会事務局 小林明 事務局長代行
「(青森県が)リンゴの栽培地で、リンゴを育てるその剪定だとか肥料をやる。病気や害虫から守るそういうことを、同じバラ科の木であるサクラに対して続けてきた。そういう技術があってサクラのソメイヨシノが残る条件が整っていたといえる」
「サクラ」と「リンゴ」、長寿の秘訣は、同じバラ科という特徴を活かした管理技術。
管理の仕方次第ではソメイヨシノの寿命1000年も夢ではないということです。
日本樹木医会事務局 小林明 事務局長代行
「ずっと見守り続けられる環境、それから今と同じ生きられる環境条件がそろっていて、そこに人間の努力があれば500年・1000年の可能性は夢でないと私は考えている」