イラク戦争の開始から3月20日でちょうど20年。ウクライナでは、今も激しい戦闘が続いています。この2つの戦争から見えてくるものとは。

イラク戦争から20年-

イラクの首都バクダッド中心部にある広場。今は噴水が整備されたこの場所で、20年前…

2003年3月20日に始まったイラク戦争。当時のアメリカのブッシュ大統領は…

ブッシュ大統領「アメリカと同盟国は世界を大きな危険から守るため『軍事作戦』の初期段階に入った」

そして今回のロシアによるウクライナ侵攻でも、プーチン大統領は「軍事作戦」という言葉を使いました。

プーチン大統領「『特別軍事作戦』を開始します」(2022年3月)

「イラク戦争」と、20年後の「ウクライナ侵攻」。この2つの戦争には幾つかの共通点が見られます。

イラク戦争とウクライナ侵攻 「開戦の大義」背景には大国のエゴも

2003年、国連安保理の決議のないまま開戦に踏み切ったアメリカ。開戦の理由を当時のパウエル国務長官は…

パウエル国務長官「私が述べることは確実な情報源によって裏付けが取れています。イラクはさらなる大量破壊兵器の製造を隠そうとしているのです」

ところが、開戦の大義とした大量破壊兵器は、イラク国内でくまなく探しても見つかりませんでした。

かたや、今回のウクライナ侵攻に際して、プーチン大統領も…

プーチン大統領「(ウクライナは)核兵器をつくり、欧米は支援するだろう。我々は見過ごすわけにはいかない」

「ウクライナが核兵器をつくろうとしている」と主張。

また、NATOの拡大や親ロシア派の住民の保護などを理由にウクライナに侵攻したのです。

こうした点について、専門家は・・・

五野井郁夫・高千穂大学教授「ウクライナに対してロシアが侵攻した時も、ロシア系の住民が迫害されているとか、自分たちには正当性があるんだと強く主張し、イラク戦争の時は、自分たちがやられるんじゃないかと恐れもあって先制攻撃を行った。どちらも、都合のいいように話をねじ曲げて、戦争を行おうとする」

またアメリカもロシアも、国連安保理の常任理事国でありながら、一方的な武力行使に踏み切りました。