山梨大学医学部附属病院前院長の武田正之さんに伺います。

小嶋優キャスター:
武田さん、現在の感染状況をどう見ているでしょうか?

山梨大学医学部附属病院 武田正之前院長:
1月初旬の第8波のピークからずっと減少してきて、多分今が底で、若干増加傾向なのかなと思いますが、1週間2週間様子を見ないとわからないです。

小嶋キャスター:
5月8日に5類へ移行となりますと、変わるのが新規感染者の把握ということで、定点調査に変わるんですね。これは一部の医療機関から週ごとに報告を受ける形になるのですが、メリットとデメリットはどんなところにあるのでしょうか?

武田前院長:
まずメリットですが、今までは毎日全数把握というものをやっていたので医療機関からかなり報告しなければいけない、保健所も把握しなければいけないということで、かなり大変だったんですが、それが週1回となり、かなり楽になります。そして今までインフルエンザも全国で5000か所くらいの医院とか病院からの定点報告なんです。そこから概算してるので、その経験がありますから、その経験を使って少し仕事が楽になる。
欠点としては、クリニックが少ないとかなり値がアバウトになってしまう。1週間ごとですので地域差が大きいことと、1週間に1回しか報告がないので、急激に感染者が増加するときはそれがわからない。だからかなり大変になって分かってしまう。
小嶋キャスター:
5類になると変わるのが医療費なのですが、すべて自己負担になるのですが、具体的に3割負担の方が外来で治療を受けた場合、どのようになるのでしょうか?

武田前院長:
インフルエンザの場合は5日間くらいの処方をもらっても、大体3割負担で自分での支払いが3000円台。コロナもそれを想定しているのですけど、お薬が非常に高いんです。5日で9万円とかいうお薬もある。そうなると3割負担で3万円とか4万円になってしまうのでかなり大変なことになる。それが来年の4月からそうなるのは間違いないです。
西垣友香キャスター:
今後のワクチンはどうなりますか?

武田前院長:
すでに発表されてるように、5月から65歳以上の高齢者と基礎疾患ある人、医療介護従事者といった方。9月から12月はそれ以外の人すべてが対象になりまして5月から8月に打った方も二回目をこの期間に打つという予定になっている。その期間の費用は無料です。来年の4月以降は年1回の定期接種という事になり、費用は一部自己負担です。そして法的な義務はないです。

小嶋キャスター:
そして気になるコロナは今後どうなっていくのかということで、予想のグラフを見せていただくと。

武田前院長:
第8波が終わって、今が底だと言ったんですが、おそらく徐々に増加してくると。5月から高齢者のワクチン接種が始まって、5月8日から第5類扱いになると全く対応が変わります。悪いパターンが危惧されるのですが、例えば1日何十万人という感染者が出た場合に、週1回の定点観測だとおそらく対応できない。それを過ぎて大変な目にあった後でおそらくこういった形の対応が出来るようになるのではないかな。そうならないことを祈っているのですが、可能性はあります。

小嶋キャスター:
これからの半年間が非常に大事になっているという事ですね。ここまで武田さんでした。