WBC=ワールド・ベースボール・クラシックの決勝戦で、特大アーチを放った日本の主砲・村上宗隆選手。世界を沸かせた、この同点弾を演出した村上選手のバットの「生みの親」が岐阜県にいました。

ミズノテクニクスの名和民夫さん(56)。30年以上バットを作りづけるベテランの職人です。
(ミズノテクニクス 名和民夫さん)
「村上選手が使用しているのが、このバットです」

パワーヒッターには珍しい、先端部をくり抜いた操作性の高い点が特徴だといいます。しかし…。

(ミズノテクニクス 名和民夫さん)
「バットが合わなかったのかな。そういうことが気になってしまうので。素直な形で見られなかった」

大会期間中、不振にあえぐ村上選手をみて、名和さん自身も「バットが悪いのでは」と悩んだこともあったといいます。そうした中、WBC決勝で村上選手が放ったのが、貴重な同点ソロホームラン!

(ミズノテクニクス 名和民夫さん)
「鳥肌が立つような活躍をしたので、ホッとしたというのが一番」
そして、実は…。

(ミズノテクニクス 名和民夫さん)
「こちらが前回、世界一になったときに使用していた、イチローさんのバットと同じもの」

2009年のWBCで決勝タイムリーを放ち、日本を優勝へ導いたイチローさんのバットも名和さんが作った物でした。

(ミズノテクニクス 名和民夫さん)
「あの時のイチローさんも調子が良くないところで、でも最後に決勝でタイムリーを打った。今回同様ホッとしたというのが一番大きな印象だったと覚えている」
世界一の立役者のバットには同じ職人の思いが込められていました。



(ミズノテクニクス 名和民夫さん)
「今回の世界一を見た子どもたちが、次の侍ジャパンになるという意味では、希望を与えてもらった大会。それに少しでも携われたことは嬉しい」