検察が特別抗告を断念し、再審=裁判のやり直しで無罪の公算が大きくなったいわゆる「袴田事件」。今回、特別抗告を防ぐため、インターネットを活用し、世論を「見える化」して検察に突き付けたのは、袴田巖さん(87)をサポートしてきた弁護士でした。
<アナウンサーリポート>
「再審開始です」
3月13日、再審開始の決定を支援者らに知らせたのは袴田弁護団の1人、戸舘圭之弁護士(42)。弁護団の中では、比較的若手の弁護士です。
<袴田事件弁護団 戸舘圭之弁護士>
「長かったですけど、本当によかったなというところが率直な気持ちですね」
いわゆる「袴田事件」をめぐっては3月13日、東京高裁が再審を開始するよう決定しました。検察はこの判断を受けて当初、最高裁で審理を続ける「特別抗告」を検討していました。これを防ぐため、行動を起こしたのが戸舘弁護士です。
世論をどうにかして検察に突きつけられないか。利用したのが、インターネットの署名サイトです。袴田さんの無罪を主張する声を集めたいと呼びかけたところ、署名は(13日の開設後)1日で1万筆を超え、特別抗告の期限だった20日には、国内外から3万8,000人分の署名が集まったのです。
<袴田事件弁護団 戸舘圭之弁護士>
「市民や国民の声を刑事裁判でも反映させるという公共的な使命を持っているのが検察官。署名で表れたような大きな市民の声に押されたという点は過小評価できないですし、特別抗告を断念させるひとつの要因になったと思っている」
結局、検察は特別抗告を断念。この背景には世論の力もあったと元裁判官は指摘します。
<元東京高裁裁判官 木谷明弁護士>
「実質的に56年、57年もかかって、最高裁から差し戻された事件で再審開始となった。(検察が)それをもう1回やるのかと世論の反論が大きいですから、そこを押してまで(特別抗告を)やるのは得策でないという判断はあったと思います」
世論の後押しもあり、裁判のやり直しが決まった袴田事件。弁護団は一刻も早い再審のスタートを訴え続けています。
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