4月から全国一斉に自転車に乗る全ての人のヘルメット着用が努力義務となります。着用についてのアンケート調査を実施したほか、警察の対応について取材しました。

大分県警がツイッターに投稿した動画では、走行中の車と左から出てきた自転車が衝突。その衝撃でフロントガラスは大きく破損しました。一方で自転車に乗っていた人に大きなけがはなく命を守ったのはヘルメットでした。

これまで大分県では条例で自転車で通学する生徒などに対してヘルメットの着用が努力義務とされてきました。そして4月からは道路交通法が改正され、自転車に乗る全ての人にヘルメットの着用が努力義務となり、これに伴い、県の条例も改正されます。

罰則規定はありませんが、その背景にあるのはヘルメットの着用で致命傷を防ぐことができたケースです。

過去5年間 自転車事故で着用死亡者はゼロ

(県警察本部交通企画課・佐藤智宏課長補佐)「大分県内では過去5年間、ヘルメットを着用していた方で亡くなられた方はいません。亡くなられた方はヘルメットをつけていなかった」

県警によりますと、この5年間に県内で自転車の事故で死亡した人は17人いますが、ヘルメット着用者の死者はいません。重傷者でも着用者はおよそ15%と頭部を守ることで重大事故を防いでいることが分かります。

こちらはJAFが自転車事故での頭部の衝撃を検証したものです。ヘルメットを着用していない場合、倒れた際に頭が地面に強く打ち付けられているのが分かります。ヘルメットを着用している場合と比べてその衝撃はおよそ17倍となっています。

こうしたヘルメットの有用性が証明されている一方で、着用について街では様々な声がきかれました。

(大分市の街頭で)「着けてないです。髪が崩れるのが嫌だなって」「着けてないですね、高校生までは着けてたんですけど。家にまだヘルメットがあるので努力義務になったら着けようかなと」「たまにこけることがあるので、自分がケガしないためですね」

OBS公式ラインで現在のヘルメットの着用についてアンケートを行った結果、「着用する」「たまに着用する」と回答したのは2割未満。現状は後ろ向きな声が大多数となっています。