宮城県の村井嘉浩知事が3月2日の県議会で共産党の志位和夫委員長を揶揄したとも受け取られかねない発言をしたことを巡り、16日開催された議会運営委員会で県議会議長が知事の発言を不問とする考えを示しました。
宮城県議会 菊地恵一議長:
「3月2日の三浦一敏議員の一般質問において、知事の答弁に関し福島一恵議員から議事進行の発言があったが、議事録を精査したところ、議長として対応すべきものはないと認められたので、あすの本会議の諸報告でそのような発言を行いたい」
16日開かれた県議会議会運営委員会で菊地議長はこのように述べ、村井知事の発言を不問とする考えを示しました。
3月2日の県議会一般質問では、共産党県議団の三浦議員が仙台医療圏の4病院を2つの拠点に再編する県の構想、それに整備完了の見込みが3回にわたって延期された県広域防災拠点について村井知事が強引に推し進めようとしていると批判。知事就任から17年、5期目の村井知事に対し、「権力は腐敗する、陳腐化する。長くやりすぎると(周囲の)話をだんだん聞かなくなってくる。為政者は、弱者に寄り添った政治をしなくなったら辞めたほういい」と迫ったところ、村井知事が委員長就任から22年の共産党の志位委員長を引き合いに出し、「その言葉を共産党の志位委員長に是非お伝えしたい」と応じました。

菊地議長の発言に対し、議会運営委員を務める共産党県議団の天下みゆき議員は「今回の議長の判断について私どもとしてはやむなしとする」としましたが、その上で、「あの時の知事答弁は質問に対する回答は結局なかった。今後は質問に対して回答をきちんとするよう議長からも言ってほしい」と要望。菊地議長は、「確かに天下議員が指摘する部分があったのですでに知事に申し入れている」と答えました。
県秘書課によりますと、村井知事は菊地議長から3月8日に指摘されていて、「わかりました」と応じたということです。