2022年11月、97歳の男が運転する車が歩道に突っ込み、5人が死傷した事故の裁判。
この事故で亡くなった女性(42)の夫が意見陳述を行い、およそ25分間にわたり、悲痛な胸の内を明かしました。
97歳被告は「愚かなことをした。でも運転しなければどこにも行けない」
この裁判は、福島市の97歳の被告が、22年11月、福島市の市道を車で運転中、時速60キロで歩道を走行し、女性(42)をはねて死亡させたほか、4人にけがをさせたとして、過失運転致死傷の罪に問われているものです。
23年2月28日の初公判で、被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。
検察側は、冒頭陳述で、車両の故障はなく、アクセルとブレーキを踏み間違えたことが事故の原因と主張。また、被告が事故を起こす前から車庫入れの際に車のバンパーをぶつけていて、それを知った娘から運転をやめるように注意されていたことなども指摘しました。
被告人質問で、被告は事故の原因について「運転が未熟だった。ブレーキの代わりにアクセルを踏んでしまった。慌てていた」としたうえで、「本当に愚かなことをした。ものすごく反省している。でも車を運転しなければ食事にもどこにも行けない。」などと話しました。
この事故で亡くなった女性(42)は、まだ幼い子ども2人を持つ母親でした。
3月15日の裁判では、亡くなった女性の夫が被害者参加制度を利用して、意見陳述を行い、事故の日から一変してしまった家族の日々を、涙ながらに訴えました。