きょうはビールの泡にまつわる事例です。
居酒屋に行って生ビールを注文しましたが、ジョッキの半分以上が泡の状態で出てきました。
生ビールの泡はどこまで許されるのでしょうか?
四季法律事務所の森本明宏弁護士にお話を伺います。
アナウンサー)
半分以上が泡だと非常に損をした気分になりますよね。法律的には問題はないんですか?
森本弁護士)
飲食店などで食べ物や飲み物を注文してお金を払う行為は、「売買契約」にあたります。生ビールを注文する際にいちいち契約書は作りませんが、このような場合は売り主と買い主との間で、どういった量や質の物を提供すべきなのかを一般常識に照らし合わせて、判断することになります。

生ビールの場合、泡は全体の2割から3割ぐらいが一般的と考えられていると思います。これが今回のように、泡とビールの割合が5:5かそれ以上に泡が多いとなると、買い主が期待するような質や量のビールの提供とはいえないと思いますから、新たにつぎ直してもらうことができるでしょう。しかし注意したいのが少しでも口をつけてしまうと交換は要求できません。
アナウンサー)
「少しでも飲んでしまったら」というのは何か意味があるんですか?
森本弁護士)
飲んでしまうことによってその状態を認めたということになります。これは法律的には「追認」といいますが、泡が多くても納得したということになってしまうんです。ですから後になって交換を要求することはできません。
アナウンサー)
新型コロナも落ち着いてきて、これからお酒を飲む機会も増えると思いますが、こうした知識を知っておくと役立つかもしれませんね。