経営不安が広がっているスイスの金融大手、「クレディ・スイス」は先ほど、スイスの中央銀行から最大で日本円で7兆1000億円を調達すると発表しました。ただ、金融市場では銀行に対する信用不安が続いています。

クレディ・スイスは16日、「先手を打って流動性を強化するため断固たる行動をとる」と強調し、スイスの中央銀行であるスイス国立銀行から最大で7兆1000億円を調達すると発表しました。

一方、15日のニューヨーク株式市場はクレディ・スイスの経営不安が広がったことで銀行株が軒並み下落し、ダウ平均株価は一時、700ドル以上値を下げました。

その後、取引時間中にスイス国立銀行が支援を表明したことで下げ幅は縮小。きのうに比べて280ドル値下がりして取引を終えました。

ECB=ヨーロッパ中央銀行は16日に金融政策を決める理事会を開く予定で、クレディ・スイスの動揺を受けてどのような判断を下すかが注目されます。

アメリカの相次ぐ銀行の破たんから飛び火した不安の連鎖が世界の金融市場に暗い影を落としています。

一方、きょうの東京株式市場でも全面安の展開となり、日経平均株価は一時500円以上下落し、およそ2か月ぶりに節目の2万7000円台を割り込みました。クレディ・スイスが中央銀行から資金調達すると発表した後は、下げ幅を縮小して午前の取引を終えました。