中国政府は、現在、輸入を停止している台湾産の太刀魚と冷凍アジについて、輸入を再開すると発表しました。

中国政府は去年8月、アメリカの当時の下院議長ペロシ氏が台湾を訪問した翌日から、台湾産の太刀魚や冷凍アジについて、新型コロナウイルスが検出されたとの理由で輸入を停止していました。

輸入停止の措置については台湾の蔡英文政権への圧力とみられていましたが、中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の報道官は15日、「台湾との貿易の健全な発展のため輸入の再開を決定した」と発表しました。

中国政府による台湾産の水産物などの禁輸措置をめぐっては、先月9日に台湾の最大野党「国民党」副主席が北京を訪問して以降、中国政府が緩和を表明していました。

台湾では来年1月に総統選挙が行われる予定で、中国としては野党・国民党の訪問成果のように演出することで現政権に揺さぶりをかけたい狙いもあるとみられます。