ギャラリーの2階にはアニメ制作のきっかけとなった大切な絵があります。

前田さん:
アニメって細かい作業なんですね。大きな絵、描いてみたいなと思ってふと思ったらシーツが大きいなと思って。それでシーツに思い切って描いたの。


今から約30年前に描かれた桃太郎と鬼の絵
前田さん:
「(まんが日本)昔ばなし」がもう終わったときなんですね。今まで長いことやってたもんですから,脱力感で何もする気が無くなった時がある。仕事しないと困るから他の仕事受けるんですけど、全然描けない。「ちょっと親戚で不幸が出たんですみません。」とか、そんな断りを何回か繰り返したら、ちょっとね、こりゃ駄目だなと思って。
そんな時、仕事ではなく描きたいものを描いたのがこの絵でした。

前田さん:
このちっぽけな桃描いて、これがもとでそこからパッと逃げていく、そのエネルギーみたいなもの。
この絵をきっかけに幼いころから見てきた富士山を舞台にしたアニメーションを作ろうと約30年間、試行錯誤をしてきました。