原発事故の影響で一時、すべての地域に避難指示が出された福島県葛尾村で、帰還した住民の暮らしぶりについて調査している福島大学などが、9日、中間報告を行いました。

福島大学食農学類・小山良太教授「集落の中でもかなり偏在化していることが分かった」

葛尾村で行われた中間報告会。

この調査は、福島大学や村のまちづくり団体などが、村民のニーズに合わせた豊かな暮らしの実現につなげようと、おととしから帰村したすべての世帯を対象に、日常生活や集落の実態などについて聞き取りを行っているものです。

村では、7年前に原発事故による避難指示が大部分の地域で解除され、去年6月には野行地区の復興拠点でも解除されましたが、村内の居住率は、震災前の3割ほどにとどまっていて、今後のまちづくりは重要な課題となっています。

9日の報告会では、村のそれぞれの集落によって、営農再開や企業誘致など今後の暮らしにおける方向性に違いがあることなどが報告されました。

福島大学食農学類・小山良太教授「帰って来られる場所があるとか遊びに来る場所があるなら、実はそれを維持するのがこの地域で暮らす楽しさなのかもしれない。そこを整備できたらと思う」

福島大学などは、今年の夏ごろまでに最終報告書をまとめることにしています。