“戦後最悪”の日韓関係 肩代わりの背景は?

ーー日韓最大の懸案だった徴用工問題が一気に解決へと動き出したが、この背景には何があったのか?

TBS スペシャルコメンテーター星浩氏:影の主役はアメリカだと言ってもいいと思います。核ミサイル開発を進める北朝鮮情勢が緊迫してますので、日米韓で協力しましょうということです。
中国に対しても台湾有事などに向けて日米韓が連携する必要があるということで、アメリカが相当、日韓双方に働きかけたということだと思いますし、バイデン大統領がいち早く今回の合意解決案を評価したというのも、その表れだと思いますね。

ーーなかなか解決に向けての動きが見えなかったその最中も、水面下では様々な動きがあったということか?

星浩氏:日本の外交官も韓国の外交官と非常に頻繁に交渉を進めていましたし、岸田総理も尹大統領も98年の金大中大統領と大渕総理の合意を非常に高く評価してましたし、その2人のリーダーシップで日韓をうまい方向に持っていこうということで、合意したこと自体は非常に結構なことだと思いますね。

ーーようやく改善に向けて動き出した日韓の関係ですけれども、今後その関係が醸成されていくのは何が必要でしょうか?

星浩氏:日本側としては、半導体関係の輸出規制を今してますので、それを早めに解除して、韓国に答えていくということですし、韓国は来年総選挙があるんですけども、またこの政治情勢が変わって、この合意をちゃぶ台返しするようなことがあってはならないので、そういう意味では韓国側も、着実に合意を履行していくという覚悟が必要だと思います。