■東京マラソン2023(5日、東京都庁前~東京駅前 42.195キロ)

東京マラソン2023が5日に行われ、三菱重工の山下一貴(25)が日本人トップの7位でゴール。タイムは日本歴代3位となる2時間5分51秒の好記録をマークした。パリ五輪の代表選考会であるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC、10月)の出場権はすでに獲得しているため、五輪代表へ向けて名乗りを上げた。

さらに其田健也(29・JR東日本)が山下に次ぐ8位(2時間5分59秒)。復帰第2戦の大迫傑(31・ナイキ)は日本人3位の9位(2時間6分13秒)でゴールし、MGCの出場権を獲得した。優勝はエチオピアのD.ゲルミサ(2時間5分22秒)。

この日はスタート時の午前9時10分、天候は曇りで気温8.8度、風速1.2m/sと最高のコンディションとなった。レースはスタートからハイペースで進み、20キロ地点では鈴木健吾が持つ日本記録(2時間4分56秒)より30秒速いペースに。25キロ地点でも変わらず高速レースで終盤へと向かった。

30キロ付近で三菱重工の井上大仁(30)が前に出て、山下も徐々にペースを上げていく。残り5キロで海外勢がスパートをかけると山下と大迫が素早く対応。大迫は39キロ手前で勝負をしかけ山下を抜き日本人トップに立ったが、山下も粘りの走りをみせ再び大迫を抜き返し41キロ付近まで一騎打ちとなった。

41キロ過ぎで大迫が右脇腹を押さえる仕草を見せると、山下が徐々に差を広げていった。そのままペースをキープした山下は、マラソン3戦目で自己記録(2時間7分42秒)を大幅に更新する好タイムでフィニッシュした。

レース後、山下は「今日、後半は自分の力でいった部分が多かったので、周りの人の力を借りられれば(タイムは)もっといけるんじゃないかなと思っています」と更なる飛躍を誓った。

【男子マラソン 日本歴代記録】
1)鈴木健吾 2時間4分56秒 びわ湖毎日マラソン(2021年)
2)大迫傑 2時間5分29秒 東京マラソン(2020年) 
3)山下一貴 2時間5分51秒 東京マラソン(2023年)
4)其田健也 2時間5分59秒 東京マラソン(2023年)
5)設楽悠太 2時間6分11秒 東京マラソン(2018年)
6)高岡寿成 2時間6分16秒 シカゴマラソン(2002年)